Cosper

コスパよく幸せに生きていく

スマホを落としただけなのに(小説)を読んだ感想!結末が微妙!?

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用しています。

いや〜、ミステリー小説とか久しぶり読みましたよ。映画を先にみる予定だったのに小説から先に読んじゃった^^; ”スマホを落としただけなのに”って身近なタイトルに惹かれました。現代人に欠かせないツールなんで思わず反応しちゃいます。まんまと術中にハマってますね(笑)原作本を読んだ感想をぼくなりの視点でお伝えしたいと思います。ネタバレ含むのでそこだけご注意ください。

 

目次

 

 

 

ざっくりとしたあらすじを紹介

主人公の恋人・富田誠がタクシーのなかでスマホを落とすところから物語は始まります。拾い主の男はじつは狡猾なハッカーで、待受け画面に設定されてた主人公の稲葉麻美のことを気に入ります。なんとかして稲葉麻美をじぶんのものにしようと企てます。ハッカーなので個人情報を盗み出すことなど朝飯前。持ち前のハッキングスキルでスマホデータを盗み出し、周辺の人間関係を入念にチェックします。そしてそのデータをもとに、フェイスブックで知り合いになりすましを図りつつ徐々に近づいていきます。拾い主の男は姿こそ現しませんでしたけど、横浜のカフェでスマホを預けておくことを約束し、落としたスマホは無事に富田の手元に返ってはきます。もちろんすべてのデータを抜き取られてるので情報は筒抜けです。ここから稲葉麻美、冨田誠ともに拾い主の男に翻弄される日々がはじまります。

 

ストーリーとしての面白さは?

稲葉麻美と似た境遇に親近感

ぼくと境遇が似てて感情移入しやすかったです。稲葉麻美は都内で派遣社員の事務としてはたらく設定なんですよね。地方からR大学(たぶん立教大学)進学を機に上京、卒業後に広告代理店に入社するけどじつはそこはブラック企業で…ついていけないと感じ、勢いで辞めてみたはいいものの、収入は一気に激減。薄給でなんの保証もない派遣社員の身分に転じ、生活レベルを下げざるをえなくなって毎日ギリギリの一人暮らし生活…洋服も美容院も必要最低限で我慢するしかなく、足りないときは消費者金融でカバーしてたと。うん、もうね、ぼく題材にしてるよね?(笑)境遇似すぎててびっくりです。アラサーで、結婚せず独身のままで、しかも実家とは疎遠。どんぴしゃもいいところじゃないですか(笑)男女に関係なく、都内にはこういう志向性のあるタイプは多いですもんね。共感を誘いやすいと思って描いたんでしょうね。非正規社員の現実みたいものをリアルに描写してます。

 

 

前半から中盤はハラハラドキドキ

前半から中盤にかけては面白かったです。3人の視点で物語が展開していきます。拾い主の男、主人公の稲葉麻美、連続殺人犯を捜査する警察たち。最初は物語の展開の仕方がうまく飲み込めず、こんがらがってましたけど、徐々に慣れていきました。ここからはネタバレ含みます。じつは稲葉麻美のスマホを拾った男は連続殺人犯で、警察に追われてる人物でもあったんです。警察から捜査対象だった男がたまたまスマホを拾う…フィクションじゃないとありえない設定ですけどね(笑)男はネグレストで、小さい頃から愛情不足で育ったんですね。母親にかまってもらえず、とにかく母性に飢えてました。訪問派遣型のサービスを頻繁に利用するようになったのも愛情不足が原因かと。内向的でまともに恋愛ができるタイプでもないので、そうするしか方法がないと思い込んでたのかもしれません。おかげで全財産をつぎこんでしまい、サービス女性を殺める事態にまで発展します。連続殺人犯と化していくんですね。稲葉麻美もおなじ目に遭わされるんじゃないか?ハラハラドキドキしながら読みすすめられます。

 

 

結末は失速

一応ミステリーに括られるはずですけど、ミステリーとして読むぶんにはあまりおすすめしません。結末の展開の手抜き感というか、どんでん返しがあまりにお粗末でした。お決まりのハリウッド映画のクライマックスみたいな…。

拾い主の男(犯人)は念願だった稲葉麻美を監禁することに成功するんですよね。それはまぁいいとしましょう。手足を縛られて、身動きがとれなくなった稲葉麻美はしばらく放置されます。その間になんとか助けを求めようとします。たまたまそばにあったスマホのバイブレーションが鳴り、じつはそれは男のものではなく、あたらしく買い替えた自分のスマホだと知ります。無理やりですよね(汗)「シリー!富田くんに電話して!」。なんとか無事に富田につながり、助けを求めることに成功します。外から戻ってきた男に痛めつけられようとしたその矢先、タイミングよく富田が駆けつけて男をバットで殴っておさえつけるという…よくあるパターンです(笑)その後警察が駆けつけ、殺人の罪で男は逮捕されます。クライマックスの失速感はハンパなかったです。

 稲葉麻美がじつは偽名で、大学時代にルームシェアしてた友人のなりすましだったって事実は衝撃でしたけど。伏線張られてたのに、飛ばし読みしてたのでぜんぜん気づかなかった…。ミステリーはちゃんと読まないとダメですね。学びました。

 

 

セキュリティ意識を高めよう

スマホのセキュリティをしっかりしよう!って意識が芽生えます。ネットセキュリティ啓蒙の意味合いもあるんでしょうね。フェイスブックをはじめとしたSNSの管理はもちろん、パスワード管理の大切さが学べます。スマホのパスコードを誕生日に設定してるひととか未だにごまんといますからね。セキュリティ意識を高めるきっかけを与えてくれます。英数字と記号を組み合わせたパスワードなら安心です。頭の中でおぼえるのは不可能ですけど(笑)なのでぼくはパスワード管理ツール使ってます。パスワードマネージャーってやつです。ウイルスバスターで有名なトレンドマイクロが開発した有料ツールです。年間で1,831円払ってます。個人情報守るためには必要経費と考えてます。これ使い始めてからほんとパスワード管理がラクになりました。

 

もちろんパソコンだけじゃなくスマホでも使えます。iPhoneiPadに専用アプリを入れて使ってます。 マスターパスワード入れなくても、指紋認証で開けるので使い勝手もいいですね。最大20桁のパスワードが自動生成できるので安心して使えます。月額版もあるのでまずはお試してみるのもいいかもしれません。

スマホを落としただけなのに”じゃ済まないのが現代のネット社会ですから…。 教訓を与えれくれる一冊でした。